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会ったことも、話したこともないやつがいきなりウチに住むことになったと聞いた時は、冗談が好きな父親のいつもの嘘かと思った。
誰に聞いても、知らないやつといきなり同居するなんて、嫌というに決まってる。
もちろん俺も例外でなく、その話しを聞いた時から今日まで、断ってくれと頼み続けた……
しかし時の流れは残酷で、俺を見て楽しんでいるかのように、ゆっくりと、確実に、止まることなく進んでいくのだった。
そして、桜の花びらが舞い散る春の暖かなある日、俺の気持ちなんてお構い無しに……
とうとうその日、そいつはウチにやってきた。
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