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「優ぅ! 百合ちゃん着いたから挨拶しに降りて来なさい」
うるさいなぁ。俺がずっと反対してたの忘れたのかよ。
俺の気持ちなんかお構い無しに……
ドタドタと階段を上がる音がする。こりゃきっと母さんだな?
ガチャッと音がしたかと思うと、ノックも無しに母さんはずかずかと俺の部屋に入ってきた。
「優! 聞こえてるんでしょ?」
「うるさいなぁ。ちゃんと聞こえてるよ」
ベッドに寝転んだまま頭を上げると、困った顔の母さんが仁王立ちしていた。
こうして見ると母さんも歳を取ったものだ。
「聞こえてるんなら早よ降りて来んね。もう下に来とるとよ」
「行きたくない! 俺はそいつが居候するの賛成してねぇし」
「今更そんなこと言ってどがんすると? とにかく早よ来なさい!」
そう言って母さんは俺の手を掴んで引っ張って行く。
子供じゃないんだからと思いながらもどうせ抵抗しても無駄だと分かっているので、仕方なく着いて行く。
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