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体のあちこちを触っていたが、どうやら俺は男、らしい。
一人称も、普通に俺、と言っている。今気付いたが。
もう鏡はいらない。
ここが何処なのか、知りたい。
そう思うと、鏡はバリン、とかパリン、と音をたてて
割れ砕けた。
屈みこんで鏡の欠片を手に取ると、指の皮膚が切れた。
だが、切れた皮膚からは何も出てこない。
痛みも感じない。鏡の欠片は、鋭利なものであることがわかった。
そして俺には、痛覚がない。どうやら、血というものもないようだ。
黒のロングブーツで鏡の欠片を踏み、砕きつつ、
俺はここが何処なのか、調べることにした。
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