狂った街と風景

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暫くして、俺は歩みを進めた。 気が付けば、摩天楼の街に居た。 先程からグチャグチャという音と、五月蝿い程の悲鳴と、 何かが爆発したような音と、甲高い叫び声と。 様々な音が聞こえる。 足元を見れば、白い粉。 手にとってみると、かつて人であったとわかった。 狂気、という言葉が浮かんできたが、 俺は狂気、を感じない。寧ろ、狂気、は言葉こそ知ってはいるが 意味がわからない、みたいなものだ。これは俺が魔導書だからだろうか? 音や骨、屍を乗り越えていくと、一つの神殿にたどりついた。 神殿、と言ってもゴツゴツとした岩肌の中に、無数の穴が空いていた。 まるで、どこかの遺跡だ。 俺は足を進める事にした。
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