無言電話

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「これで六回目か…。」 ため息混じりにそういいながら、俺は机に頬杖をついて、目の前の白い壁を見つめた。 見る、といってもそれは不可抗力であって俺が見ようとしているわけではない。 俺の周りは背後以外その白いパネルで長方形の机に沿って仕切られ、仕事に専念できるようになっている。 「ねぇねぇ昨日の深夜番組の―――見たあ??」 「見た見た!あれちょー面白かったよね! 特に――――の――君が『僕は違いますぅ~』って拒否るとことかヤバかったもん!!」 ―――…専念、できるよう… 「あ、それ見たあ!もうほんっと最高! でも来週合コンで見れないんだよね~」 「えー!文子可哀想ー! 撮っとけばー?」 「うーん、そだね♪」 ………できてないな。 うん。無理だ。 こんな薄っぺらいパネル一枚じゃ声を遮るなんて無理に決まっている。 「」
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