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そのアパートは広すぎず、狭すぎず、
一人暮らしをするにはちょうどいい位だ。それに、田代の交渉により、家賃はタダ。食事に関しては、その知り合いの人が料理好きで、おすそ分けをしてくれるそうだ。
放火でお金がないとはいえ、逆に申し訳ない気がしてきたが、ここは甘えさせてもらうことにした。
とりあえず、挨拶だけでもしたほうがいいだろう。
ピンポーン・・
「はぁい、どなた?」
・・・衝撃的だった。
目の前にいたのは、ゴツくてデカい、そのくせ顔には化粧を塗りたくっている、まさに‘化け物’といえる・・・オカマだった。
こ、怖ぇ。
「あ、あの~。今日から隣に住まわせてもらうことになった山う・・塚本ハルです」
「あらやだ!超かわいんですけど~。・・・あ、お姉さんの名前はアリスよん♪」
「・・・男、ですよね・・?」
その瞬間、いきなり胸ぐらを掴まれた。
「今度その言葉いったらシバくぞ?」
「・・ハィ。」
「うふっ。細かい事は泉ちゃんから聞いてるわ。これからよろしくね、ハ・ル・ちゃん?」
一瞬で血の気が引いたのが分かった。
「よろしくお願いします。…アリスさん」
退散!!
この人が隣人だと思うとゾッとするが、これでひとまず一段落ついた。
問題は明日からの学校生活だ。
明日に備えて早く寝ておこう。
・・・・やっぱ寝れねーよ!!
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