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教室に着くと大声が聞こえてきた。
「マジなにこれー!!」
「真島さんダメじゃん、教科書破っちゃ~!!」
見てみると、真島奈緒を囲うように女子が集まっていた。
「私っ、破ってなんかないです!」
真島奈緒の手に握られていた教科書は、見るも無惨に破かれていたり、切り刻まれていた。
「これひどいっ!やったの誰だよ!?」
つい声を張り上げてしまったが、これはさすがにひどすぎる。
教室中ざわつきはじめた。
そのざわつきを破ったのは意外にも彩音だった。
「ハル?どうしたの!?」
「あ、彩音!これ真島さんのなんだけどひどすぎない!?」
俺は彩音に無惨な教科書を見せた。
「・・・・・」
「彩音・・?」
「別に、いいじゃない」
「・・え?」
「いつもの事よ」
・・・呆然としてしまった。
誰にでも優しかった彩音の口からまさかそんな言葉が出てくるとは思わなかったからだ。
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