第1話

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「・・大丈夫?ハルちゃん、顔色よくないよ?」 「・・・ううん!!大丈夫じゃないわ!ということで早退するね!!!」 「え!?まだ来たばかり・・・」 奈緒は何か言いかけていたが、とにかく俺は向かった。・・田代病院へと。 「田代!!」 「うわっ!山内君!?」 田代は急な俺の訪問に驚いたらしい。 「もう1年たってるって本当かよ!?」 「え、なに、何のこと?」 俺はさっき教室での事を話した。 「・・あぁ、うん。山内君がウチに運ばれて来てから起きるまで1年位たってるかな」 「何で教えてくれなかったんだよ!?」 「教えるもなにも・・・全く聞かずに飛び出して行ったのは山内君の方だよ~?」 た、確かにそうだけど・・・ 「まぁ、そこまで変わってなかったから良かったけどよ~」 「でしょ?・・それより、どう?女の子としての生活は?」 「どうもこうもねーよ。色々大変だった・・・」 そう言いかけて、今までの事を思い返した。 家がなくなったこと、 アリスさんが(かなり)怖かったこと、 孝明と2年ぶりに話した事、 彩音の事・・ そして、奈緒の事・・・・ 「たった1日だけだったけど色々あったよ。女になって嫌なことばっかだと思ってたけど、・・女になって改めて知った良いこともあったし」 「うんうん、良かったよ。楽しんでいてくれて」 「・・いっとくが、楽しんでねーよ?」 「はは・・。そ、それより山内君、学校は?」 話をそらしたな。 「あ、やべ。抜け出してきちゃった」 「それはいけない。早く戻らなきゃ!」 「あ、あぁ」 俺は急いでドアの前までいった。 「あっ!山内君、学校終わったらまたここに来てくれるかな?」 「え?あぁ。でも何で?」 「色々話したい事があるんだ。・・あ、ホラ急いで!」 何を言いたかったのか分からなかったが、とりあえず急いで学校に向かった。
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