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「・・大丈夫?ハルちゃん、顔色よくないよ?」
「・・・ううん!!大丈夫じゃないわ!ということで早退するね!!!」
「え!?まだ来たばかり・・・」
奈緒は何か言いかけていたが、とにかく俺は向かった。・・田代病院へと。
「田代!!」
「うわっ!山内君!?」
田代は急な俺の訪問に驚いたらしい。
「もう1年たってるって本当かよ!?」
「え、なに、何のこと?」
俺はさっき教室での事を話した。
「・・あぁ、うん。山内君がウチに運ばれて来てから起きるまで1年位たってるかな」
「何で教えてくれなかったんだよ!?」
「教えるもなにも・・・全く聞かずに飛び出して行ったのは山内君の方だよ~?」
た、確かにそうだけど・・・
「まぁ、そこまで変わってなかったから良かったけどよ~」
「でしょ?・・それより、どう?女の子としての生活は?」
「どうもこうもねーよ。色々大変だった・・・」
そう言いかけて、今までの事を思い返した。
家がなくなったこと、
アリスさんが(かなり)怖かったこと、
孝明と2年ぶりに話した事、
彩音の事・・
そして、奈緒の事・・・・
「たった1日だけだったけど色々あったよ。女になって嫌なことばっかだと思ってたけど、・・女になって改めて知った良いこともあったし」
「うんうん、良かったよ。楽しんでいてくれて」
「・・いっとくが、楽しんでねーよ?」
「はは・・。そ、それより山内君、学校は?」
話をそらしたな。
「あ、やべ。抜け出してきちゃった」
「それはいけない。早く戻らなきゃ!」
「あ、あぁ」
俺は急いでドアの前までいった。
「あっ!山内君、学校終わったらまたここに来てくれるかな?」
「え?あぁ。でも何で?」
「色々話したい事があるんだ。・・あ、ホラ急いで!」
何を言いたかったのか分からなかったが、とりあえず急いで学校に向かった。
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