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学校に着くと、皆キョトンとしていた。
まぁ、昨日編入してきた子が、2日連続で遅刻してきたんだから無理もないが。
相変わらず、彩音達はいなかった。
「ハルちゃん大丈夫?早退するって言ってたけど・・」
「あー、うん。なんか治っちゃったみたい。ゴメンね~」
心配しててくれたのか。
「彩音達は?」
「・・藤咲さん達は3時間目になるけどまだ来てないよ」
・・本当に変わったんだな。
いや、もとからそういう性格だったんだっけ。
キーンコーンカーンコーン・・
予鈴がなった。全員が席に着く。
「なぁ、お前」
声をかけてきたのは意外にも、浜田孝明だった。
「な、何?」
びっくりして噛んでしまった。
「お前さ、よく昨日注意したよな」
「注意?」
「いじめだよ。普通だったら見てみぬフリじゃね?」
「何言ってんの!教科書とか破られていてひどかったんだから」
「クラスの奴らはそれでも何もいわなかったぞ」
なんだよ、コイツ・・・
「あんたが止めればいいでしょ!?クラスの人がなんとかなんて言ってないで!」
「俺はなぁ!!・・」
「なんだぁ?浜田。質問でもあるのか?」
いつの間にか先生が入ってきていた。
「や、何もないス・・」
クラス中が‘どっ’と笑った。
孝明は顔を赤らめた。
おかしくなってつい俺まで笑ってしまった。
「何なんだよ。お前っ」
「さっきから‘お前’って・・・
私の名前は‘塚本ハル’!覚えてよね」
「あ!?お前・・」
「だーかーらー」
「・・つ、塚本」
「うん、OK!」
あー、面白い。
人をからかうなんて何年ぶりだろう。
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