第1話

6/11
前へ
/192ページ
次へ
「じゃあさ、私は何て呼べばいい? 浜田君てのはなんかカタいから~… ・・‘タカ’ってのはどうよ」 この呼び方は、俺が昔使っていた。 「あーもう。いーよ、それで」 半分投げやりそうに言っていたが、このほうが呼びやすくていい。 「ところでタカ、さっき何て言いかけてたの?」 「さっき?」 「『俺はな!』って言ってたじゃん」 少し間があいたが、思い出したらしく「あぁ、あれか」と呟いた。 「・・やっぱ何でもねーよ」 「なんだよそれ~」 言いかけて言わないのが 一番気になるのだが。 また聞こうと思ったが、 あまりしつこく聞いても言わないだろうと思い、言うのをやめた。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

978人が本棚に入れています
本棚に追加