第1話

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「いいよっ。 パット入れてごまかすから!」 「山内君!男を捨てるんだ!!」 「捨てるかァァ!! まだ心は男なんだよ!」 「・・・山内君」 急に田代が真剣な顔つきになって言った。 「な、何だよ!?」 「君はこれから…少なくとも1年は 女として過ごさなければならない。その為には男だとバレないように工夫が必要だよね。 ・・男って事がバレたらどうなるか、 分かるよね?」 「う゛っ!」 確かに、田代の言ってる事は一理ある。 ・・が、事の発端は少なからずお前にあるんだぞ。 まあでも、アレを切断しないだけましかもしれない。 まだ上半身の重みは慣れないが、女として過ごす代償だ。いずれ慣れてくるだろう。 「分かったよ。つけりゃいんだろ!」 「うんうんっ」 田代は満足そうに笑っていた。 「・・ところで、用事はこれだけか?」 「あー、とりあえず今日はもう遅いから帰っていいよ。また用事あったら連絡するから」 「あ?別にいーよ。 アパート近いし」 「山内君、女の子は暗くなってくると襲われやすいんだよ。だから帰りは気をつけて帰ってね」 「襲われる~?大丈夫だって。 俺、男だし」 「も~、今は女の子でしょ!?」 「大丈夫、大丈夫 じゃあな」 「襲われても知らないよ~!?」 田代の言葉を聞き流して俺は病院を出ていった。 辺りはもう暗くなっていた。
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