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「いいよっ。
パット入れてごまかすから!」
「山内君!男を捨てるんだ!!」
「捨てるかァァ!!
まだ心は男なんだよ!」
「・・・山内君」
急に田代が真剣な顔つきになって言った。
「な、何だよ!?」
「君はこれから…少なくとも1年は
女として過ごさなければならない。その為には男だとバレないように工夫が必要だよね。
・・男って事がバレたらどうなるか、
分かるよね?」
「う゛っ!」
確かに、田代の言ってる事は一理ある。
・・が、事の発端は少なからずお前にあるんだぞ。
まあでも、アレを切断しないだけましかもしれない。
まだ上半身の重みは慣れないが、女として過ごす代償だ。いずれ慣れてくるだろう。
「分かったよ。つけりゃいんだろ!」
「うんうんっ」
田代は満足そうに笑っていた。
「・・ところで、用事はこれだけか?」
「あー、とりあえず今日はもう遅いから帰っていいよ。また用事あったら連絡するから」
「あ?別にいーよ。
アパート近いし」
「山内君、女の子は暗くなってくると襲われやすいんだよ。だから帰りは気をつけて帰ってね」
「襲われる~?大丈夫だって。
俺、男だし」
「も~、今は女の子でしょ!?」
「大丈夫、大丈夫
じゃあな」
「襲われても知らないよ~!?」
田代の言葉を聞き流して俺は病院を出ていった。
辺りはもう暗くなっていた。
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