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『人間って愚かよね』
黒髪の少女は呟いた
見た目年令は十五、六の長髪の美しい少女
背中には羽が生えている
少女が目にしていたのは、高校だった。日が傾きかけた夕暮れ時、部活におわれる生徒ばかりが残る。
そんな中、ただ教室で泣いてる一人の女子生徒
昨日まで、あの子は幸せそうに微笑んでいたのを少女は知っていた
恋をしていたようだった
『うぅっ……慎一……』
誰もいないことをいい事に、男の名を呼びながら涙を流す。拭う。の繰り返し
ぐすっと音をたて、鼻を啜った
『本当に愚かな種族だ。一生同じ人を想い続けようなどと、人間なんかが出来るわけが無かろう』
もう見るのも飽きてきたようだ
己の白いワンピースを翻し、今まで足をつけていた屋上から飛び立とうと―…
『なんでそう思うの?』
『は?』
少女らしかぬ声が聞こえた
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