第一章 仕事女

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 トーマスが紅茶を用意している間、キャンディは、店の奥にいるミーニャの相手をしていました。  「ねえ、トーマス、あの客、どう思う?」  キャンディは、トーマスに聞いてきました。  「どう思うって?」  「喫茶店に来てまで仕事をしてるなんて、変だと思わない?」  「別に」  キャンディは深く、ため息をつきました。 「はぁ、トーマスに聞かなきゃよかった。ミーニャ行こう」  キャンディはそういうと、ミーニャを連れて、店の方へ行ってしまいました。  「一体、何考えてるんだ、キャンディは?」  呆れるトーマス。キャンディがあの調子だと、きっと、お客様の迷惑にあたるかもしれない、そう思わずにはいられませんでした。  ほかの客に迷惑をかけたら、店の印象はがた落ちです。  トーマスは、入れた紅茶をゆっくりと持ち上げ、そう思わずにはいられなかったようです。  「ま、気にしないよりましか」  トーマスは気を取り戻し、先ほどの女の方へと歩いていきまし た。
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