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昨日見た夢★
どうして、こうなってしまったんだろう?
僕は、よく覚えてはいないけど…
ただ
今、目の前でナイフを振りかざす君のその笑顔が、とても綺麗で儚くて…
僕はそれに吸い込まれるように見とれてしまってたんだ。
生きる事を諦めた訳じゃない。
ただ、余りにも綺麗すぎる君に魅せられて…
僕は君に刺される瞬間
最期まで君の顔を見つめながら、僕の心に焼き付けるべきか…
それとも、悲しみに歪む君を見ないように目を閉じるべきか…
死の淵で考え込んでいた。
ふと僕の頬に冷たい雫が落ちてきた。
よく見ると君は泣いていて、このまま最期を迎えちゃダメだと気づかされたんだ。
【ごめんね】
口には出さなかったけど、ここまで君を追い込んでしまったのは僕。
『ごめんね。』
今度は口に出してみた。
そっと君を抱きしめながら、溢れる涙をキスで拭う。
もう君を苦しませないから、これからはずっと笑って生きていこう。
もう君を独りにしないから。
ずっと二人で生きていこう。
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