第三章 歪

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同じ土俵にいる二人だから。 そう、同じ土俵にいる。 そのせいなのか、アートが譲に接する態度が自然で普通だということに譲は今気がついた。 障害者を哀れみ上から見る姿勢が一切感じられない。 「ねぇ…私が可笑しくないの?」 「例えば?」 「背が小さいこと」 「ああ、可笑しいってゆうよりも、違和感?なんだろ、つい見たくなるけど」 随分とはっきりと言われるが、全く嫌だとは感じない。 アートは続ける。 「まぁいくら背が小さくとも人間は人間だしね。女も男も、子供も大人も変わりはしない。だから俺は誰であろうと殺しを躊躇わないし」 だから譲も、同じということ。一人の人間であるということ。
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