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バサッ、バサッ!
空にいくつもの黒い点が見えたかと思うと、それらは徐々に近付いてきた。
「……え、ヒト!?」
一瞬、鳥の群れのようにも見えたが、そうではなかった。
人の姿をしている。
グレーの服に全身を包んだ集団だ。
彼らは背にマントを装着し、空を飛んでいる。
「すげぇ~……」
沙和はしばらくぽかんと口を開けたまま見ていたが、彼らが明らかに自分に向かってきていることに気が付いた。
「え……ちょちょちょ……」
その距離、わずか20メートル程。
彼らは、スピードを落とさない。
むしろ接近しているせいか、さらに加速しているようにさえ感じた。
「え……えええ、あ、あの……って……!!わ、わああああ!」
10メートル程まで近付いてきて、沙和は後ずさる。
獲物を狙うようなするどい目付きと、両手に装備された長い爪。
「ぅああああああああ!!」
沙和は背を向け、全力疾走した。
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