第二章 見知らぬ地で

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バサッ、バサッ! 空にいくつもの黒い点が見えたかと思うと、それらは徐々に近付いてきた。 「……え、ヒト!?」 一瞬、鳥の群れのようにも見えたが、そうではなかった。 人の姿をしている。 グレーの服に全身を包んだ集団だ。 彼らは背にマントを装着し、空を飛んでいる。 「すげぇ~……」 沙和はしばらくぽかんと口を開けたまま見ていたが、彼らが明らかに自分に向かってきていることに気が付いた。 「え……ちょちょちょ……」 その距離、わずか20メートル程。 彼らは、スピードを落とさない。 むしろ接近しているせいか、さらに加速しているようにさえ感じた。 「え……えええ、あ、あの……って……!!わ、わああああ!」 10メートル程まで近付いてきて、沙和は後ずさる。 獲物を狙うようなするどい目付きと、両手に装備された長い爪。 「ぅああああああああ!!」 沙和は背を向け、全力疾走した。image=153815191.jpg
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