101人が本棚に入れています
本棚に追加
「……い……こ」
……遠くから声が聞こえる……
なんだか、温かくて気持ちがいいな……
「おい!香子!!」
我に返って、香子は目を開けた。
目の前には斗哉の顔のアップ。どうやら自分は斗哉に上体を抱きかかえられている体勢のようだ。
「ぎゃあああああ!!!」
思わず、斗哉を突飛ばした。
「……っ痛!何すんだよっ」
「ご、ごごごめんっ!つい……」
な、なんで目を開けたら斗哉が超接近してんの!?
何これ!?どゆこと!?
香子は動転し、思考が混線している。
そんな様子を見て、斗哉は溜息を漏らす。
「……まぁいい。それよか、ここ、どこだと思う?」
「どこって……あれ?」
見回すと、そこはまったく覚えのない部屋の中だった。
今自分が寝ていたベッド、
妙な柄のタペストリー、
タンスの上には知らない顔の写真立てが数個。
混乱していると、ドアをノックする音が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!