101人が本棚に入れています
本棚に追加
コンコン。
カチャ。
一拍置いて、ドアが開いた。
「あ、二人とも、目を覚ましたんだね」
ずんぐりとした体型の男が言った。手にはカップが二つ乗ったトレイを持っている。
「あの……失礼ですが、ここは……?」
「私の家さ。うーん……多分ね、君達の世界から離れた場所かな」
「は……?」
男の突拍子もない答えに、二人は顔を見合わせた。
はい、と温かい茶の入ったカップを二人に手渡して、その男は続けた。
「ここはエイノス。君達はディズから来たんだろう?」
知らぬ地名を逆に質問されて、斗哉は戸惑った。
「いや、ごめん。そんな事をいきなり言っても、混乱させるだけだね。君達は……」
優しげな口調で言いかけたその時、家の外から、人の叫び声が聞こえて来た。
「な、何!?」
「ム、来たか!?」
険しい表情で、その男は立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!