第二章 見知らぬ地で

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「いやぁ、ハッハッハ!皆、無事で良かったよ!!」 家の中で少し休息すると、男は体力を取り戻したらしく、陽気に豪快にその大きな腹を揺らして笑った。 「あ、あの、本当にありがとうございました!!僕、もう駄目かと思いました…」 沙和が一礼した。 そしてすぐに、 「お名前は…?」 と付け足した。 すると男はまた笑って、 「名乗る程の者じゃあないさ…。なんてね、ハッハッハ!一度言ってみたかった台詞さぁ!」 「あ、あははははは」 沙和は作り笑いした。 「ハハ、失礼。私はユラシルだ。おっ。ありがとう、客人にこんな事をさせてすまないね」 香子が人数分の茶を入れて戻って来た。 「い、いえ…いつも家でやってることですから…」 沙和と斗哉は、カタカタと震える香子の手を凝視する。 「ど、どーぞ。」 少しずつ中身をこぼしながら、不慣れな様子でカップをそれぞれに渡すと、ふぅ、と大きな安堵の溜息が出た。 沙和と斗哉も、ふぅ、と息をついた。
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