第二章 見知らぬ地で

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「もう、嫌なんだ」 ユラシルはぽつりと呟いた。 「人が死んでいくのをみるのは。…初めは、驚愕だった。 でもわかってきてしまった。繰り返される度に。 あぁ、またディズから人がやってきた。奴等に狙われ、そして殺されるのか、と」 三人は、静かに聞いていた。 どんな気持ちで、今語っているのだろうか。 繰り返される惨劇を目の当たりにしてきたその心中は計り知れない。 「だから、私は、自分が持つ能力を使って、このガラス玉…空玉を発明した。 そして、ディズから来た人間、君達を守ることが出来たんだ。 でも、この空玉だって、人の命を奪うものにすぎない。 わかっているけど…奴等のやってきたことは、あまりに酷過ぎた。黙って見ているのは、もう、嫌なんだ…」 人を殺める事の心理。 自分達は、助かった事を素直に喜べたけれど、そうじゃない。 助ける為に、殺した。 それは正当防衛だけれど、自分にも深い傷を残す。 ユラシルは、落ちた視線を持ち上げて言った。 「君達を、ディズへ帰すよ」
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