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「え…僕達帰れるんですか!?」
「ああ。帰れるはずなんだ。空気の流れから、歪みが生じるパターンを読む。この長い年月、ボーッとただ見て過ごしている訳じゃあなかったんだよ」
「そんな…。さっきの、空玉、とかいうものを発明しただけでも、凄いと思うのに…」
香子は独り言のように呟いた。
「私の能力はね、空気を感じることなんだ。全てはその流れから生まれる」
そう言って、ユラシルは棚から紙切れを取り出して来た。どうやら、この地の周辺地図らしい。
それを開いて、指を差しながらブツブツと喋り始めた。
「…うん。ここしかないだろう!」
パチン、と指を鳴らした。
「わかったんですか!?」
三人の目が輝く。
「今夜、この村を出て近くの河辺に、歪みができるはずだよ」
ユラシルの言葉に、それぞれが歓声をあげた。
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