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四人は、愕然とした。
薄暗さに隠れていたグレー服が、次々にその姿を現す。
「くっ…何処までも逃がさないつもりか…!?」
ユラシルの額に冷汗が伝った。
「ユラシルさん…」
三人の高校生は不安を丸出しにして、ユラシルを見た。
―ディズから来た人間は、誰一人として、助かっていない…。
さっきのユラシルの話が三人の頭中を霞める。
「…大丈夫。言っただろう?私は、君達をディズへ帰すと…」
三人を安心させる為か、ユラシルはニヤリとしたが、ポケットに差し入れた手が震えている。
あの、空玉を使おうとしているのだろうか。
一度に大勢を殺戮した、あの空玉を。
「あ!!!!」
香子が突然、声をあげた。
夜空を映した水面に、変化が起こったのだ。
「あれは…!」
…異様な、緑色の光。
「時空の歪みだ!!!」
ディズへ帰る為の道が、今、開かれた。
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