第二章 見知らぬ地で

17/17
前へ
/221ページ
次へ
緑色の光が、波の様に揺めいている。 「早く、そいつに飛び込むんだ!!」 それを確認したユラシルが叫んだ。 「でも…ユラシルさんが……!」 「今を逃すな!!私のことはいいから、早く行きなさい!!!」 躊躇している背中を押す。 ユラシルを気にしながらも、三人は緑色の光に向かって走り出した。 すると、グレーの集団が動き出す。 一斉に、走る三人を追い始めた。 「まずい…!」 グレーの集団は、今にも飛び付かんとしている。 迷っている暇はない。 勝敗は、一瞬で決まる。 ユラシルは、空玉を取り出した。そしてその手に力を込め、呟き始めた。 「大気に住える主達よ…」 三人は手を繋いだ。 沙和が、光に手を伸ばす。 「今こそ我が手に…サラ…」 ポォ… 空玉に小さな光が灯る。 「レレラ…」 灯った光が濃さを増す。 グレー服が、その長い爪を彼らに振り降ろす。 「…オン!」 パァァァァァァン!!!! 全ての流れは、爆発音と光の中に飲み込まれた。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加