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緑色の光が、波の様に揺めいている。
「早く、そいつに飛び込むんだ!!」
それを確認したユラシルが叫んだ。
「でも…ユラシルさんが……!」
「今を逃すな!!私のことはいいから、早く行きなさい!!!」
躊躇している背中を押す。
ユラシルを気にしながらも、三人は緑色の光に向かって走り出した。
すると、グレーの集団が動き出す。
一斉に、走る三人を追い始めた。
「まずい…!」
グレーの集団は、今にも飛び付かんとしている。
迷っている暇はない。
勝敗は、一瞬で決まる。
ユラシルは、空玉を取り出した。そしてその手に力を込め、呟き始めた。
「大気に住える主達よ…」
三人は手を繋いだ。
沙和が、光に手を伸ばす。
「今こそ我が手に…サラ…」
ポォ…
空玉に小さな光が灯る。
「レレラ…」
灯った光が濃さを増す。
グレー服が、その長い爪を彼らに振り降ろす。
「…オン!」
パァァァァァァン!!!!
全ての流れは、爆発音と光の中に飲み込まれた。
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