第三章 帰還

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香子がいない…。 斗哉と沙和は、それから街中を探し回った。 もちろん自宅にも訪ねたが、まったくその影はなかった。 嫌な予感が、ふたりの脳裏を霞める。 あの時… 光に包まれたあの時… 俺は、確かに香子の手を握っていた。 握っていたはずだ…。 「くそっ!!!!」 斗哉は自分を責めていた。 香子の手を握っていたはずが、ディズに戻ってきた時にはもう、その感覚さえ失われていた。 「一体いつ…手を離しちまったんだよ…!くそが…!」 「斗哉くん…落ち着いてよ。もしかしたら、この街の外に、香子ちゃんは飛ばされたのかもしれないじゃないか…。」 「……」 わずかな期待にすがるしかなかった。 しかし、二人は考えずにはいられなかった。 もし、香子が、ディズへ戻っていないとしたら。 エイノスに、とり残されているとしたら。 今頃は…。 必死で不吉な考えを振り払おうとしたが… 二日。 三日。 無情にも、月日は流れていった。
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