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「……っ!」
沙和は、ひどい頭痛で目を覚ました。
「あ……れ……?僕、どうしたんだっけか……」
辺りを見渡してみたが、全く覚えのない場所。
樹木が生い茂っているだけで、その向こうは薄暗くてよくわからない。
「痛っ!」
ズキン、とまた大きな頭痛。
そうだ……
三人で遊んでて……
変な緑の光に……。
あれ、あの二人は!?
自分の側には人の気配は感じられず、沙和は痛む頭を抑え、少し歩いてみることにした。
……
……
どのくらい歩いただろうか。しかし、依然として景色は変わらず、樹木が並んでいるばかりだ。
「ここは……どこなんだろ……?斗哉くん……?香子ちゃん……?」
呼べど返事はない。
不安はどんどん増していく。
……ズキン。ズキン。
再び頭痛が強くなってきた。
ちょっと休憩をしようかと考えたその時。
遠くの方から風を切るような音が聞こえてきた。
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