あか。

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「ねえ美都。司君とはまだ続いてるの?」 六月の今にも泣き出しそうなどんよりとした空の下。 講義の合間の時間に、キャンパスの中庭のいつものベンチに腰かけお気に入りのオレンジジュースを啜っているのは私、鈴本美都(スズモト ミツ)。 そこに少し遅れてやって来た親友……と言うよりは、最早腐れ縁に近い付き合いになる鎌田幸(カマタ サチ)は、ぶしつけにそんな事を聞いてきた。 「……何? いきなり」 飲んでいたジュースを噴き出しそうになりながら私が言うと、幸は私の隣に座りながら物凄く失礼な言葉を口にする。 「え? 司君と付き合ってもう二ヶ月でしょ? いつもの美都なら、そろそろ終わりが見えてきてるんじゃないかなぁ……と思ってね」
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