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「ごめん。なんて言っていいのかわからないんだけど、俺自分の気持ちがわからなくなったんだ。」
俺は素直に伝えることにした。
けど、やっぱり凜の目を見て伝えることはどうしても出来なかった。
「私を好きかわからなくなったの?」
「…俺から告ったのにな。ごめん。」
「今まで言ってくれたことは嘘だったの?ずっと一緒にいようって、お前は一生俺だけのもんだって、絶対俺が幸せにするって、何度も言ってくれたじゃん!全部嘘だったの!?」
凜が俺の肩を掴んで揺さぶりながら叫ぶ。
俺は、今までの自分と重ねてしまって胸が締め付けられた。
わかるよ。凜の気持ちわかる。俺も今までずっとそんな別ればっかだったから。
俺は心の中でそう思いながら、実際には何も言えなかった。
流されてしまいそうになる自分を必死に抑えて、俺は平静を装いながら答える。
「その時は本気だったよ。けど、今はわからない。」
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