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俺は素直に伝えた。
凜の気持ちに応えられない俺が、唯一凜にしてやれること。
それは自分の気持ちを素直に凜に伝えることだと思った。
「今愬がしようとしてることは、私を傷付けないの?」
凜が俯きながら呟く。
今にも消えそうな声で発せられた言葉に、俺はまた胸が締め付けられた。
「ごめん。本当にごめんな?」
謝ることしかできない俺を見て凜は諦めたのか、泣くことを止めて俺の顔を見つめて言った。
「私のこと、嫌い?」
俺は首を横に振りながら答える。
「嫌いじゃないよ。」
凜は喜ぶと思った。
笑いながら『じゃあ、私頑張るよ?』って、『諦めないから!!』って、勝手にそう思い込んでた。
けど、違った。
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