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「嫌いになったんでしょ!?嫌いになったって言ってよ!!」
俺はビックリした。
嫌いじゃないって言われたいんだと思ってたのに、嫌いって言ってと言われた。
どうしてかわからなかった。
だけど、凜がそれを望むならって思った。
「凜?俺は凜のこと…、嫌いに…、ごめん。やっぱ嫌いだなんて嘘でも言えない。だって俺、凜のこと嫌いになったから別れたいんじゃないんだよ。ただ、ただ…。」
いつの間にか俺も泣き出してた。
別れを告げた俺が泣くなんて最低な話だ。
けど、泣くなって自分に言い聞かせようとすればする程、涙は流れていくんだ。
止めようと思えば思う程、目から溢れてくるんだ。
どうしたらいいかわからなくなって、俺は俯いたまま黙ってしまった。
二人の間に重い沈黙が流れた。
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