裏社会・本職ｺﾞﾄ師～前作品より

‥出会い‥

　
　面接当日。

　俺は、紹介してくれた後輩と連絡を取り、
　夕方、ｷｬﾊﾞｸﾗが始まる前に
後輩の店で会うことになった。

　店に入り、店のﾎﾞｰｲに
『どうぞ。こちらです。』
と、進められるがまま、
その席へとついた。

『初めまして。』

俺は挨拶をすると....

『おう。よろしくなぁ。
　それにしてもずいぶん、大人しそうなお兄ちゃんやなぁ～。
大丈夫かぁ～??』

　これがこれからの⑤年近く
お世話になる兄貴分の、俺に対する初めての一言だった。

　そう。少年院から帰って来て約半年位の俺は、兄貴から見れば、ありえないくらい大人しそうに見えたのだと思う。

　俺の
兄貴に対する第一印象は....

　”なんだぁ～??
　この関西弁のﾃﾞﾌﾞ。
　やっつけちゃおうかなぁ??”

と、いう感じ。

　そんなこんなでお互い、これから長い付き合いになるともしらず、話しは始まった....。