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「結構です」
私は無表情に断った。
だいたい、今年クラスメイトになった長身のその男と私にはなんら接点なんてないし……。
「ふぅん」
にこり、と。
アイドル然したその顔に歪んだ笑顔を浮かべて、白石は私の腕を掴んだ。
「ねぇ、つれない事言わないでよ。
俺、去年からずっとマーサのこと見てたんだし。
同じクラスになったのも何かの縁だと思わない?」
お前は新手の新興宗教の勧誘者か!
と、突っ込みたくなるような適当な言葉に、私はぞっとするような薄ら寒さを覚えた。
だいたい、唐突に人を名前で呼び捨てにするとはどういう了見よ?
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