2 その男ストーカー?

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「思わないわよっ」 渾身の力をこめて睨む。 が、 「すぐに気は変わると思うよ? 俺、振られたことなんて一度も無いし」 なんていいながら、白石は私の腕を掴んできた。 それにしても。 こんなことなら、いくら近道だからって、人気(ひとけ)の少ない中庭を横切るのは辞めればよかったわ。 唇を噛むが、もう遅い。 私の腕を掴む白石の力は存外に強く、振り払うことなんて出来そうになかった。 「放してよっ」 「キスしてくれたら、放してあげる」 余裕を携えた笑みが、私に向けられる。 あー、もう! 誰よ、こんな男を振らなかったっていう女共はっ!!
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