2 その男ストーカー?

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「……っ」 白石は言葉を失って、私の手を放す。 一目散に逃げ出す様は、何か可愛らしくもあった。 「本当に、危険なんだから」 須藤さんは一瞬のうちに私の肩に手を回し、耳元で優しく囁いた。 「……どうして、うちの学校に居るんですか?」 声をあげて初めて、自分が震えていることに気がついた。 「あれ?  マーサちゃんは助けられたときの礼儀を知らないの?」 「え?」 問いただすまでもなく、その広い腕の中へと抱き寄せられる。 「『怖かったーっ。  助けてくれてありがとう、キョーヤ!』でしょう?」 ……その若干作った裏声は、私の台詞を指してます? そして、密かに「キョーヤ」って呼ばせようともくろんでますね?
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