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訝しげに眉を潜める私を見て、須藤さんはスーツのポケットから携帯電話を取り出した。
「これ、機種変するたびにずっと持ち歩いてるんだよね」
ほら、見てみて?と。
自慢するかのように、彼のシルバーの携帯電話を手渡される。
その画面には。
……今よりずーっと若い須藤さんの唇に、確かにちゅってしている小さな女の子(推定年齢3歳?)がそこに居た。
「こ、これってっ」
「そう。まだ、若いマーサちゃん」
「いや、まだ若いのは須藤さんで、私はどっちかっていうと幼いって言ったほうが適切じゃないかと……」
「そんな細かいことはどっちだっていいよ。
とにかく、ほら。
これがマーサちゃんのファーストキスってわけ。
どう?
少しは大好きな『キョー兄ちゃん』のこと思い出してくれた?」
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