1 突然の来訪者

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がちゃ、と。 私が玄関に立ち尽くしているうちにリビングのドアが開いた。 中から顔を出したのは、テレビでしかお目にかかれないような絶世の美青年。 すらりと伸びた手足、眉目秀麗、の四字熟語がぴったりなそのマスク。 どうして、そんな人が我が家にしかもスーツ姿でいらっしゃるのかしら。 ああ、何かの営業? 「君がマーサちゃんだよね?」 「……はい」 名前を呼ばれ、条件反射のように頷くと、彼はにこりと微笑みその形の良い顔を崩した。 思いがけぬ甘い笑顔にどきりと心臓がはねる。
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