3 同棲の始まり

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「そっか。  俺の近所の人に見せびらかして欲しいんだ?  こんなに若くて素敵なフィアー」 私は慌てて歩き出す。 「見せびらかさなくて結構です。早くお部屋に連れて行って」 動揺を押し殺して、つんと喋る私のことが可笑しかったのだろう。 ふわり、と。 子供の頭を撫でるように、須藤さんが私の頭を撫でる。 「大丈夫。  親友の子供を無理矢理犯すほど女に飢えてないよ?」 ……その発言にどう応えてよいのか分からず、ますます俯いてしまう。 指紋で鍵を開けながら、須藤さんが言う。 「それにしても、嫌だなぁ、敬語だなんて。他人行儀なんだから」 「……私たちって他人ですよね?」 軽口に一線を引いてみる。 「ツレナイなぁ。じゃあ今すぐ関係持っちゃう?」 言うと、玄関に入るや否や須藤さんはその腕に私を抱き寄せた。 「やぁああっ。ナニするんですかっ。放して下さいっ」 半ば本気で動揺した私から、すぐに手を放すと、顔を抑えてくすくすと笑っている。 あーあ、もうっ。 絶対に私をからかって遊んでるんだわっ。
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