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「そっか。
俺の近所の人に見せびらかして欲しいんだ?
こんなに若くて素敵なフィアー」
私は慌てて歩き出す。
「見せびらかさなくて結構です。早くお部屋に連れて行って」
動揺を押し殺して、つんと喋る私のことが可笑しかったのだろう。
ふわり、と。
子供の頭を撫でるように、須藤さんが私の頭を撫でる。
「大丈夫。
親友の子供を無理矢理犯すほど女に飢えてないよ?」
……その発言にどう応えてよいのか分からず、ますます俯いてしまう。
指紋で鍵を開けながら、須藤さんが言う。
「それにしても、嫌だなぁ、敬語だなんて。他人行儀なんだから」
「……私たちって他人ですよね?」
軽口に一線を引いてみる。
「ツレナイなぁ。じゃあ今すぐ関係持っちゃう?」
言うと、玄関に入るや否や須藤さんはその腕に私を抱き寄せた。
「やぁああっ。ナニするんですかっ。放して下さいっ」
半ば本気で動揺した私から、すぐに手を放すと、顔を抑えてくすくすと笑っている。
あーあ、もうっ。
絶対に私をからかって遊んでるんだわっ。
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