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そして、須藤さんは私の長い髪を優しい手つきで撫でた。
「ずっとこうしていてあげる。一晩中でも。
……それでいい?」
「い、いいわけないじゃないですかっ」
「マーサ?」
私の名前を疑問系で言うと、ふいにその長い指で顎を持ち上げる。
見上げれば、整った顔が、困惑した色を隠さずに私を見下ろしていた。
「一度に全部は無理だって、俺もわかっているつもり。
だから、今日のところはその敬語、許してあげる。
せめて、名前で呼んで?」
「で、でも」
「でないと、今、ここでキスするよ?」
「……親友の子供に手は出さないって言ったじゃないですかっ」
紅い唇が近づいてきて、私は思わず赤面する。
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