3 同棲の始まり

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それにしても、と、注がれたペリエを喉に流しながら思う。 調度品は一級品。 このリビングは、すみずみまで、まるでモデルルームのように片付いている。 「すど……響哉さんって、パパの同級生なんですよね?」 「そうだよ」 こっちは、水ではなくウィスキーをロックで飲みながら応える。 一応、二人の間に距離はある。 およそ、10センチくらいの、ぎこちない距離。 「じゃあ、今年36歳?」 「そう。ぴっちぴちの年男」 「年男にぴっちぴちとかあるんですか?」 「一応ね。  ほら、さすがに96歳とかになるとそうは形容できないだろうし」 「……何歳まで生きるつもりなんですか?」 「ん? それはもう、マーサちゃんを看取るまでは生きようって15年くらい前から決心してるよ」 さらり、と。 そんなことを言う。
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