3 同棲の始まり

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封の開いてないパジャマに、値札がついたままの下着。 ふっかふかのバスタオル。 「……これって?」 「ん? お気に召さないデザインだった?」 「そうじゃなくてっ」 まさか、私のために買ったってことはないよね……? 「響哉さんってその、彼女とか、娘さんとか、……居たりするんですか?」 私の質問が理解できないのか、響哉さんは二度三度瞬きをして、それからクッと笑い出した。 ひとしきり笑い終えた後、私の傍の壁に手をついて、私を見下ろす。 その眼差しに、どきりと心臓がはねてしまう。 「マーサ、フィアンセっていう意味、分かってる?」 「分かってるけど……」
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