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チュ、と。
耳朶に音を立ててキスを落とすと、響哉さんはようやく顔をあげてくれた。
「キョウって呼んでくれるんだ」
真っ赤になっている私とは対照的に、涼しい顔で響哉さんが聞いてくる。
返事が出来なくて困っていると、いつもと変わらない甘い笑顔で私の頭をくしゃりと撫でた。
「それとも、キョウヤ?」
勝ち誇った満面の笑み。
私はそれを見てようやく気がついた。
両親の同級生で、20歳も年上だからオトナだオトナだと思い込んだのが悪かったのよ。
どう見たって、彼の得意げな笑顔は、知識が多いだけの悪戯好きな子供のものじゃないっ!
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