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言っている意味が分からなくて、響哉さんに視線を向ける。
「今更俺を非難するのか?」
不機嫌な声でそういいながら、ぴくり、と、響哉さんの形の良い眉が引き攣った。
「お前なー。
非難になんて慣れてんじゃねぇの? 磯部ちゃんだってお前に振り回されてることに代わりはないだろう?」
……それって、梨音のこと?
響哉さんは、ばしり、と。
テーブルを叩いた。
大きな音に空気が凍る。
「そうやって、モノに八つ当たりしたって、何も変わらないことにそろそろ気づけば?」
佐伯先生の瞳が、眼鏡の奥で鋭く光る。
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