19 キス以上

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会話もなく、夕食を食べるのがこんなに味気ないこととは思わなかった。 ただ、黙って食べ物を咀嚼する。 手間ひまかけて、一緒に作ったコロッケは間違いなくおいしいはずなのに。 まるで、砂を噛んでいるみたい。 「響哉……」 何度か頑張って呼びかけてみるけれど、そのたびに、恥ずかしくてフェイドアウトしてしまう。 年上の人を、急に呼び捨てにするなんて難易度高すぎるんだもの。 響哉さんはそのたびに、手を止めて私を見つめ 「好きなように呼んでくれて、大丈夫だから」 と繰り返すばかりで、それ以上の会話は続かない。
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