3 同棲の始まり

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「キス一つで泣かせるような、無粋な男じゃないから、安心して」 「あ、安心も何も、響哉さんが勝手に迫ってきたんでしょうっ」 安心したのか、必要以上に非難する声が漏れて、慌てて口を閉じた。 「ごめん、なさい。  そんなにヒドく非難するつもりじゃなくて……っ」 「いいよ、気にしないで。  俺だってキスするくらいじゃ泣かせないけど、アノ時はきっと、いやってほど泣かせる自信があるし……」 さらりと、響哉さんが何かしらの問題発言を口にする。 「……え?」 「ほら、俺の気が変わらないうちにお風呂に入っておいで。  それとも、今すぐ組み敷かれたい?」 紅い唇が妖艶に歪む。 「け、結構ですっ」 私は慌ててその横をすり抜けた。
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