3 同棲の始まり

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「そうなんだ?  残念」 なんとか部屋の外に出てくれた響哉さんは、ドアに手をかけたまま、さして残念そうにもなく笑いながらそう言う。 「ところで、マーサちゃんって、朝はご飯派? それともパン派?」 「どっちでも大丈夫ですよ」 「そう。  明日は土曜日だから、学校休みだよね?」 こくりと私が頷くのを確かめると、 「じゃあ、ゆっくりお休み」 とだけ言って、さっきまでのしつこさが嘘のように、驚くほどあっさりと背中を向けて行ってしまった。 しばし、呆然と立ち尽くしていたけれど、時間も遅くなっていたのでそのままベッドに潜り込む。 さすがに、シーツは極上の肌触りだし、ベッドのスプリングも丁度良い。 あまりの心地良さに、突然環境が変わったことも忘れ、私は早々に眠りに落ちてしまっていた。
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