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「そうなんだ?
残念」
なんとか部屋の外に出てくれた響哉さんは、ドアに手をかけたまま、さして残念そうにもなく笑いながらそう言う。
「ところで、マーサちゃんって、朝はご飯派? それともパン派?」
「どっちでも大丈夫ですよ」
「そう。
明日は土曜日だから、学校休みだよね?」
こくりと私が頷くのを確かめると、
「じゃあ、ゆっくりお休み」
とだけ言って、さっきまでのしつこさが嘘のように、驚くほどあっさりと背中を向けて行ってしまった。
しばし、呆然と立ち尽くしていたけれど、時間も遅くなっていたのでそのままベッドに潜り込む。
さすがに、シーツは極上の肌触りだし、ベッドのスプリングも丁度良い。
あまりの心地良さに、突然環境が変わったことも忘れ、私は早々に眠りに落ちてしまっていた。
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