4 悪夢

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+++++ 『……ちゃん、だぁいすきっ。ずっと傍に居てくれる?』 私は誰かに抱きついている。 小さな私の頭を撫でる大きな手のひら。 『真朝は本当に××のことが好きなのか?  そんなヤツより、ずーっとパパの方がいい男じゃないか』 『あら、あなた、××さんと張り合ったって仕方が無いじゃない』 温かい笑いに包まれている。 私は無邪気に笑って、誰かの腕に顔を埋めていた。 ずっと、このままで居られたらいいのに。 ずっと、このままで居たいのに。 キキキーっ 耳をつんざく高い音。 鳴り止まないクラクション。 悲鳴、救急車の音。 いやっ。 誰よ、私のパパとママを奪ったのは……。 ねぇ、返してーっ!! 良い子にするから。 もう、ずっと良い子でいるから。 返してよ、神様っ。 +++++
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