4 悪夢

3/9

41136人が本棚に入れています
本棚に追加
/1001ページ
「やああああっ」 私は自分の悲鳴で跳ね起きた。 部屋が真っ暗で、それで、えっと。 いつものところに電気が無くて。 ……どうしようっ 「マーサ」 部屋のドアが開いて、誰かが私を抱きしめた。 「やっ、怖いっ」 考えるより前に、唇が動き、反射的に身をよじる。 それでも、私を抱きしめる腕は緩められることはなかった。 汗ばんだ髪の毛を、何度も何度も、ただ、優しく撫でてくれる。 「大丈夫、マーサ。  俺が傍に居るから。  落ち着いて、ね?  ゆっくり、深呼吸……。  そうそう。ゆっくり吐いて。そうそう、うーん、良い子だ」 低くて優しい声に励まされて、ゆっくり、ゆっくり呼吸を繰り返す。
/1001ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41136人が本棚に入れています
本棚に追加