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「だから、言ってるじゃないですか。
真一くんと朝香さんの同意書ならさっきお見せしましたよね?」
少しうんざりした顔で、お父さんに向かって彼が言う。
それから、もう一度私に視線を向けた。
「マーサちゃん、いつまでここに突っ立っているつもり?
靴が脱げないなら俺が脱がせてあげてもいいし、あるいは抱き上げてリビングに連れて行ってあげてもいいよ?
そのときは俺の膝に座ってね」
……よくもまあ。
人の両親(義理だけど、でも育ての親であることは事実なんだからっ)の前で恥ずかしげもなくこんな台詞が次から次に滑るように出てくるものだ、と。
私は呆れるよりも感心してしまう。
もちろん、抱き上げられる前に自分で靴を脱ぎ、仕方が無いから制服姿のままリビングへと向かった。
ぽかんとしている弟を玄関に置いて。
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