悲劇

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秋「ヒック…ヒッ… 叶わんッ…ねやな… ずっと…ヒッ… 一緒にッ…居たい って…ヒッ…いうのは…ッ」 泣きじゃくりながら やっとの思いで 口から出た言葉だった。 莞「頑張ってみ?な? 今、秋茜が優先って 言ってくれたやろ?」 莞ちゃんは 泣きじゃくるうちの背中を さすりながら そう言って慰めてくれた。 秋「じゃあ、 何を頑張ったらいいん? どう頑張ったらいいんさ!」 勢いよく言い、 涙を出し切るぐらい 泣いた。 莞「アカンな… とりあえず部屋に戻り」 莞ちゃんの目が 悲しい目をしていたから… こんな時でも、 莞ちゃんには 傷ついてほしくないから… 振り切らずに従った。 布団の上に 座り泣いていると 莞ちゃんがまた 電話をし始めた。 莞「あんな、ごめん ホンマは今、 秋茜が隣におんねん。 めっちゃ泣いてて… 俺じゃどうしようもないから 寛君来てやってくれん?」 寛『秋茜…おったんや… わかった… 準備して行くわ。』 莞「待ってるわー」 寛『はいよ』 プチッ プープープー 莞「今、寛君が 来てくれはるからな?」 秋「呼ばんでよ! 寛の声聞いてたやろ? わからんかった? 冷たい声してた! 絶対アカン!アカンて…」 莞「そんなん 言うたらアカンて。 まだわからんやろ? とりあえず会いーな。 わかった?」 秋「…」 うちは… 何にも言えなかった。 莞ちゃんの悲しい目… 今日、何回見た? しばらくして 莞ちゃんに寛から 電話がかかってきた。 寛『家の前についたで』 莞「わかった。 俺も行っていい?」 寛『秋茜に話がある』 莞「わかった 話終わったら連絡して? 寛君と久々に会いたいし!」 寛『わかった 秋茜、出して』 莞「はいよー ほな、後で!」 寛『はいよ』 プチッ プープープー 莞「早よ行きや? 寛君、待ってはるから!」 秋「ん…」 ふらつき、すくむ 力の無い足を 無理矢理動かして 玄関へ向かった。 ガチャ… 戸を開けると そこにはワゴンRが 止まっていた。 いつもの寛が 乗っている車… うちは少しずつ 歩み寄っていった…  
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