悲劇

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ウィーン 助手席側の窓が開く 寛「乗りーや」 秋「…」 ガチャッ バンッ うちは無言のまま 車に乗り込んだ。 寛「どっかに車停めて しゃべろか」 そう冷たく 言い放たれた言葉に うちは言葉が返せず、 静かに頷いた。 しばらく ウロウロした結果、 莞ちゃんの家の 近所にある公園の横に 車を停める事になった。 ウロウロしてる間も 無言だった… それに、 寛はやたらとタバコを 吸っていた。 だから、うちは 何となく話の内容が 掴めてしまった。 寛「ここでいいな」 秋「…コクッ」 寛はタバコを取り出し 火をつけた。 会ってからまだ 10分も経ってないのに 何本目? そう思うぐらいに 寛がタバコを吸うペースは 早かった…。 寛「あんさ、 何で莞汰に言わせたん?」 秋「ごめん」 寛「俺は秋茜から 言ってほしかった。」 秋「ごめん ホンマ、ごめん」 そう言ってまた 泣き出してしまった。 寛「直接言ってくれたら よかったのに…」 うちは涙が止まらなくて 何にも言えなかった。 寛「… 申し訳ない ホンマ、申し訳ない」 言葉が返せなかった。 泣いていたせいも あるけど、 何より… 寛の声がいつもより はるかに低かった。 うちはその時 何だか変な感覚を覚えた。  
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