ー碧ー

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紅蝶がついくせで髪をかきあげる 「あっ…また」 少し悲しそうな顔 『ベニー…』 「なぁに?」 『ホントにイメチェンしたかったの?』 「そうよ」 『そっか』 そうだよね… ベニーは髪をすごく大切にしていたから自分で イメチェンしたくなって切ったんだね キッチンから幻月の声がした 「だいぶその髪にも慣れて来たよ…紅蝶が髪を切られた時はホントにびっくりしたし」 「幻月!」 『えっ…?切られたって…』 「翔…お前居たのか…」 「もう、バカ幻月!」 『どういう事?ベニーは誰かに髪を切られたの?ねぇ、教えてよ!』 「紅蝶は毛先を揃えに 行っただけなのに、勘違いされて切られたんだよ」 紅月がソファーに座りながら言った 「そうなのよ…ホント、嫌になっちゃうわ」 「翔、お前気にしすぎだよ」 『ホントにそうなの?』 「ええ…」 『……わかった』 ソファーに座りながら、 紅茶を飲んだ 何かおかしい みんなの怪我も 和海の怪我もおかしい だって、そんなに簡単に やられるはずがない 胡月や和海なら尚更だよ それなのに、胡月は刺されて、和海は撃たれた どうして? 今まで怪我をする時は、 俺を庇う時だけだった 決して敵からの攻撃を 受けたりはしなかったのに 俺だけが知らないって事? 隠さなければいけない 理由は何? 「翔様、どうしましたか?」 『みんな、何か隠してるんじゃない?』 「隠す?貴方にですか?」 『うん』 「隠す理由もありませんが」 『だって…』 「私達がやられたのは、相手を甘く見すぎていたからです」 『ホントに?』 「はい…反省しているんですよ」 『和海…』 「もう、何も考えるのは止めましょう」 『……ごめん』 「翔、もう二度とやられたりはしないよ」 『胡月…』 やっぱり気のせい? 俺も神経質になりすぎてるのかも知れないな…
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